海外生活何でもかんでも徒然なるままに〜カリフォルニア発〜

アメリカ生活での異文化雑記ブログで @harmstudio(夫)とダラダラ合作漫画も描いたりします。日英バイリンガル(フランス語ものんびり独学中)

東日本大震災とALTのテイラー先生のことについて

すでに4月11日、年は2021年です・・・

あの日の震災から先月の11日で10年。

今回は、10年間知らなかったことについて書きます。東日本大震災のことです。

私はその頃まだ京都に住んでいたので、実際の被害はありませんでした。

10年が過ぎて、本当に今頃か、と思われるかもしれませんが、東日本大震災についてあまりに何も知らなさ過ぎていることを、ふと感じました。勿論被害のことはニュースで知っている、けれど、自分から進んでその地にいた人たちのことを知ろうとしていなかったことに気づきました。そんな自分自身の生き方にとてつもなく危機を覚えました。

同じ国で起きた大災害に関して、受け身としてテレビから得る情報によって知るだけでやり過ごしていた、知ろうとしない自分は、一番恐ろしいと思いました。

勿論東日本大震災では、語り尽くせないほどの後世に語り継がれるべき、それぞれのおはなし(一番適した言葉が見つかりませんが、おはなしと書きます。)があります。

私も今回東日本大震災について生き残った方のドキュメンタリーをYouTubeでみさせていただいていましたが、その際にたまたま、アメリカ人女性のテイラーさんのことを知りました。

JETプログラムによって来日しALTとして多くの子供達に英語を教えていた彼女のことを、私は初めて知りました。東日本大震災によって亡くなられた方の一人です。

アメリカ人で亡くなられたのはテイラーさんだけだそうです。

私は、自分の夫もJETでALTをしていました。しかもテイラーさんと同じ頃です。年齢も夫とあまり変わりません。そのことを今頃になって知り、どこか、他人事とは思えないという気がしました。夫とは違う県ではありますが、同期で同士だったのです。

子どもたちに最後まで希望を与え続けたテイラーさんについては、夫とも共通するところがあります。本当に心が柔軟で温かく、視野が広く、思いやりがあり、子供たちを大切に思うところなど、本当に心を動かされる人柄というのは、一緒にいることで分かりますよね。ドキュメンタリーをみることでしか、テイラーさんのことは分かりません。でも、こんなに素敵な方がいたんだ、と知ることができました。

テイラーさんのご両親のことも知りました。『テイラー文庫』を設立して、被害地域の多くの学校にたくさんの洋書を寄贈されているそうです。本棚は地元の木工作家の方が作られた、素晴らしくデザイン性のある、とてもかわいい本棚です。そんな素敵な本棚に並ぶ数々の洋書。テイラーさんのご両親と本棚を作った木工作家の方、そして地元の皆さんによって、これからも多くの子供達に夢と希望を与えていくことを、私も心から応援したいと思います。

テイラーさんの存在が、10年を過ぎた今でもアメリカと日本の架け橋となっていることが、本当によくわかります。そしてテイラーさんというALTの先生がいたということを忘れてはいけないと思います。私は直接お会いはしてません。でも、彼女のような素敵な先生がいて、子どもたちに希望を与えておられたことを知った今、忘れたくありません。こうやってテイラーさんの意思を私も心の中に持ち続けたいです。

こうして、テイラーさんのことを風化させてはいけないと思い、私もここに記しておくことにしました。そして何よりも、震災で亡くなられた全ての方のご冥福をお祈りします。

いつか、私も震災のあった場所にも訪れたいです。その地でできた美味しいものを食べたいですが、やはり震災の記録を残されている施設などもあるので、当時のことを聞いて、学び、後世の方に私も伝えていけたらと思います。