海外生活何でもかんでも徒然なるままに〜カリフォルニア発〜

アメリカ生活での異文化雑記ブログで @harmstudio(夫)とダラダラ合作漫画も描いたりします。日英バイリンガル(フランス語ものんびり独学中)

日本の苗字とアメリカのラストネーム

2021年1月に書いたブログから今回が今年2回目となります。毎月書こうと思っていたのに、もう3月後半です。・・・何、もう3月なの?とちょっと時間が過ぎるの速すぎるぞ、と2月中にブログを書かなかったのを、全生命にとって平等な時間のせいにしているグレリーヌです。

要するに2月中に1個は書くぞ、と思っていたのに全く書きませんでした(書けませんとはあえて言いません。とほほ)。

ものすごくくだらない言い訳ですが、実はこれでも結構忙しかったんです。理由として、先月がどうだったかと言うと、割とバカバカしい、と思われること必須かもしれませんが、一応書いておきます。

まず私の働く会社で2月に新しいことがどんどん始まって、それに対応するためのウェブコンテンツ更新作業が大量に飛び込んで、だいたい一日中パソコンから離れることもなく、それにつきっきり。で、あとは夏頃に引っ越しを考えているので、平日夜は新居の検索&週末は下見なんかを始めたりして数件見に行ったり。それから、現在とある資格取得のためのお勉強中で(仕事がらみです。ちょっと日本の法律っぽいところに関連します)、仕事中でも併せて勉強モード。更にアマゾンプライムのお気に入り番組『エクスパンス』にとうとうハマってしまい、もうこうなりゃちょっと観るしかなくなり。と、こう言ったつまらない事情です。

非常に自分勝手な都合で、ブログを後回しにしているだけじゃないか、と思われるでしょうが、そのとおりなんです。これが今の私なんだなあ、と思いながら今書いている自分よ、やっと書いておるね・・・と心で呟きながら自分自身を見つめています。まあ、書かなかったことはもうそれで気持ちを落とす必要もないので、とにかく今なら書けそう、書きたい、書こう、と思ったわけでした。

時間を作るのは、自分の意志でしかできない、ということは本当です・・・言う事ばっかり立派なので、実にとほほですが。

 

 

本題を読む前に

先にお伝えしておきますね。真ん中部分の「日本とアメリカで苗字が異なるメリット・デメリット」〜「結局のところ」についてはかなり、説明が長く、国際結婚をこれからする予定があるとかそういう方のみ読まれることをおすすめします。なぜなら、それ以外の人にはかなりややこしい情報があり、しかも全く関係ないことから、必要ないということで、読むだけ時間の無駄になる可能性もあります。

最後の方は、まとめとして夫婦別姓についても少し考えたことを真面目に書いています。

 苗字について

さて、前置きが長くなってしまいましたが、今回は私の苗字について書きたいと思います。実は私の苗字は、アメリカと日本で異なるんです。え、苗字が違うって?となるかもしれませんが、実はこれ、国際結婚をしている方であれば、私と同じように母国と居住国で苗字が違うということも普通にあるんです。

まず、私は当時アメリカで結婚した時に、私のアメリカでの苗字は夫の苗字にし、日本での苗字をアメリカではミドルネームにしました。そうです、結婚時に勝手にミドルネームを作ったことになります。ただし、ミドルネームは日本には存在しないので、あくまでアメリカだけでのことです。

一方、日本では私の苗字は、結婚後も変わらず、もともと生まれた時から馴染みのある日本の苗字のままです。なので、日本では現在も同じ苗字です

下の名前(英語ではファーストネームですね)は、当然日本もアメリカも全く同じです。(そこまで違ったら、もはや私は誰?の域ですね。)

苗字が日本とアメリカで違う理由

至ってシンプルな理由でした。ただ、国籍が日本の人間が結婚したからと言っても、国際結婚の場合は自分の苗字を変えなくっても良いことが分かったからです。つまり、この場合夫婦別姓がOKというこです。勿論変えたければ変えればいいのですが。このことについては、結婚して初めて知りました。

もともとまずアメリカに住んでいる時に結婚をして、後日、現地の日本領事館に結婚したことを報告しに言った時に分かりました。その時も何も苗字のことなど考えてもおらず、ただ母国に対して報告する義務があることは知っていたので、何だか、「へーそうなんだ」と思いましたがあまりびっくりもしませんでした。というのも、当時の私はあまり結婚してからの苗字のことなども考えたことも興味もなく、おまけに正直に書きますが恥ずかしながらも結婚の一般知識もなく、日本でも夫婦別姓が普通だと勝手に思い込んでいました。→白状しますが、こういう結婚とかの類に関してあまり興味が無かったのもありますが、無知だったんです。

このようにアメリカで結婚した時点で、すでに夫の苗字に(アメリカでは)なったのですが、母国である日本では旧姓のままでも良いということで、「ふむ、ということは、選択によってはアメリカと日本で私の苗字は違うことになるのか・・・どうしよう、もうめんどくさいから、日本の苗字を変えなくていいならこのまま旧姓で行こう」ということにしました。

あまり深くは考えていませんでしたが、直感でそれなら旧姓のままが良い、と思ったことは覚えています。

日本では旧姓のままにした理由

当時はどちらか選べるということは、自分で選ぶ権利があり、かつ自分に責任があることで、こりゃ個人という存在が尊重されているなと、ありがたいと純粋に思いました。後々考えたところ、旧姓のままにした理由としては以下のとおりです。

  • アメリカに住んでいる状況の中、日本で旧姓のままだろうとそうでなかろうと、あまり影響もないだろうし、変えずに済むのなら、旧姓の方が便利で気楽だなと思ったのと、各種苗字変更の手続きとかもせずに済むので。
  • 生まれた時からずっと一緒だった自分の苗字が好きだし、あえて夫の苗字に変えなければならないという理由もなかったので。(日本でもし歯医者さんに行った時など、アメリカのカタカナの苗字で呼ばれるよりも、別に今までのままでいいじゃん、自分の苗字嫌いじゃないしなー、とかそんな理由です。でも、勿論別に変えたとしてもそのうち慣れるだろうし、それはそれで良いので、結局その人次第と言ったところでしょうか。)
  • アメリカでは結構夫婦でも別姓だったり、結婚してお婿さんの苗字に今までの自分の苗字を組み合わせたり(例えば田中さんがJonesさんと結婚して、苗字を新たにTanaka-Jones に)するなど、夫婦同士でも苗字が若干、あるいは全く違う人も結構いるので、私の場合も、夫と別姓でも何の支障もないので(日本においてのみの話ですが)、と自分にとって居心地良く、気楽で、自然だと思う選択にしました。 

日本とアメリカで苗字が異なるメリット・デメリット

メリット:日本でずっと一緒だった自分の苗字をキープできることが、嬉しかったです。先程も書きましたが、選べるということそのものが最大のメリットでした。アメリカと日本で一個人の苗字が違うということは、国ごとに法的に認められた名前が2つ存在するので、ちょっとキテレツに感じる方もいるかもしれませんが、私は別に違和感も何もありません。名前さておき、私の存在が変化する訳ではないので。結局、法のとおりにしたまでです。

とは言いつつ、気持ちの切り替えが面白いです。日本に一時帰国する時は、「ああ、今日本に到着した・・・私は今から〇〇ね」となり、一方でアメリカに戻る際には、「ああ、再びアメリカね・・・そして再び△△ね」と。軽く自分のアイデンティティが国ごとにシフトする感じで興味深いです。(だからと言って別人になる訳じゃありません。)

デメリット:特にないですが、結婚してしばらくは、海外航空券を購入する際に、どちらの苗字にしようかと非常に悩みました。次の項目を参照ください。それ以外には何もないです。不便だと思うことも問題が発生するなども、今のところ一つもありません。

母国と居住国で苗字が異なる方がやっておくべきこと

自分の経験でしかお伝えできないので、確実にこれをすべき、ということでもないのですが、ご参考までに書き留めておきます。また、アメリカをベースにお話を進めます。以下に出てくる例として、仮名:山田花子、結婚した相手の人の苗字をJonesとして説明しています。そしてこの山田花子さんは、日本での苗字は山田のままにすることに、アメリカではJonesにしたというストーリーで行ってみます。

まずはお早めにこれを

何より先にお伝えしたいことです。日本大使館・領事館で、日本のパスポートの苗字(Last Nameの箇所ですね。ここではYamada。)に( )で海外の苗字を入れてもらうことができます。これが便利でした。

例:山田花子さんの結婚後の海外の苗字がJonesなら、勿論Frist nameがHanakoでそのままですが、Last NameはYamadaだけでなくYamada(Jones)としてもらうことができます。ただしいくら(Jones)が記載されていても、システム上のデータは日本での苗字のYamadaのままなので、もしHanako Jonesで航空券を予約していると、空港でセルフチェックインはできません。よって、チェックインカウンターでチェックインする必要があります。

それなら、Hanako Yamadaで航空券取ればいいじゃない?となります。それもありです。

ただ、今度は日本からアメリカに戻る際に、ビザや永住権を入国審査で提示する時に、私はこれらのアメリカの公式の身分証明書と、航空券の名前がマッチしている方が入国時に良いかなと思って、そうしています。つまり、アメリカの公的な身分証明書では、勿論YamadaではなくJonesが正式なアメリカでの苗字なので、アメリカへの入国のことを考慮すると、身分証明書にマッチさせるためには航空券の名前も、Hanako Jonesにしなければなりません。

さらに、ドメスティック(国内線)、すなわちアメリカ国内で行き来する時、必ずJonesのようにアメリカの苗字の方が便利だと思います。なぜなら、アメリカでの公式な身分証明書(もうすぐ免許証もReal IDバージョンに更新が必要ですね)があれば、アメリカ国内の移動にそもそも日本のパスポートを持参する必要もなくなります。大切なパスポートを国内旅行で持ち歩くのも煩わしいですは、もし、JonesでなくYamadaで予約したいなら、アメリカ国内線であろうと、航空券の名前とマッチする日本のパスポートを持参しなければなりません。 

更にもう一つ

航空券を購入する際に毎度、行き先によって苗字をYamadaにするか、Jonesにするか、なんてめんどくさいですね。

それならどちらかの苗字だけに統一して予約する方が今後のためにも良いと思います。これは、よく飛行機に乗る人にとって、決定的な理由があります。なぜなら、マイルを貯めるためにはどちらかの名前に常に統一して予約しないと、苗字が旅行ごとに違うとマイルが貯められないからです。(私の場合、結婚直後、航空券の苗字と、マイレージのアカウントの苗字がマッチしないことがあり、マイルを正当に受け取るために航空会社のカスタマーサービスと結構めんどくさいやり取りをしました。自分のアカウントを通して予約したにも関わらず、マイルが付与されていなかったので、おかしいな、と思ったら案の定そういう事情でした。)

なので、結婚して、今後は今までと違う苗字で飛行機に乗るのなら、各航空会社のマイレージアカウントの苗字を予め変えておいた方が、絶対良いです。私の場合、日本での苗字から、アメリカでの苗字に変えました。あとは予約する際には必ずアメリカでの苗字にすれば、マイレージアカウントの苗字と予約した際の航空券の苗字が、これでマッチするので、後でトラブルにもならずに済みます。

また、アメリカに住んでいるので、日本に帰国する回数より明らかにアメリカ国内で飛行機に乗る方が多いので、その都度マイルは貯まります。この時にアメリカの苗字にすることについては、日本のパスポートを持参する必要がないという理由を先程述べました。そしてさらに、日本帰国の際にも、航空券をアメリカでの苗字にすれば、同じように無事マイレージがどんどん貯まります。

更に日本のパスポートには、前述のとおり( )でアメリカの苗字の記載さえあれば(Yamada(Jones)みたいに)、ちゃんとどこでも本人確認ができます。当然ながら、アメリカのビザなり必要なものも持参済みですし、日本からアメリカに戻る際に、日本の空港でのチェックインでもアメリカのビザとかの提示を求められたら、それで航空券と苗字の照合もされます。

 この他、フランスに旅行なんて場合、つまりアメリカから日本以外の国への海外旅行や、日本からアメリカ以外の海外旅行の場合でも、マイレージのことや、アメリカへの入国する際を考慮して、航空券の予約時はアメリカの苗字に統一することに徹しています。この場合にフランスなど日本・アメリカ以外の国への入国で役立つのが、勿論パスポートのYamada(Jones)ですね!フランスではアメリカのビザは勿論役に立ちませんし(笑)。入国において航空券の名前と照合するには、ここで日本のパスポートの( )部分が活躍する場です。

いろいろ説明しましたが、以上が国際結婚されて、且つ苗字が日本(母国)と居住国で違う方への私の経験から言えるアドバイスでした。

結局のところ

長くなってしまいましたが、アメリカの苗字が日本と異なる場合、何をすべきかといえば↓ ↓ 

  • 日本のパスポートのLast Name箇所の更新で( )内に海外での苗字を入れてもらう。
  • 航空会社のマイレージアカウントは、苗字を日本の苗字から、結婚して変更後の海外での苗字に変える。(アメリカやその他の国で長く住む場合、そこを拠点とするので、そこからの出国や、その国の中での移動が多いことから、やっぱりマイレージ取得のことを考えると拠点とする国での苗字にするのがベストかと思います(私の場合はそうでした)。別に日本の苗字のままでも、その名前で航空券を取り続ければいいのですが、その国の中で移動する際にも日本のパスポートを必ず持参しないといけなくなることは、できれば避けたいところです。あとは、日本や日本以外の国から、居住国のアメリカに戻る時、アメリカのビザや永住権の苗字と航空券の苗字がマッチすることの方が、アメリカでの入国時にスムーズかな、と思っています。

結婚したら苗字を変える、それともそのまま?母国と居住国で苗字が異なるのもあり?(国際結婚の場合)

結局のところ、本人次第なので、変えるかそのままとか、私などがああだこうだ言う立場ではなく、本人同士さえ幸せならどっちでも良いということでは、と思います。

ここまでで何度か繰り返しましたが、選べるということがありがたいということは正直な気持ちです。

別に日本の政治とか法律がどうのこうのとか、難しいことは何も言うためのブログではありませんので、日本がこうで、一方アメリカや海外はどう、で、どちらが良いとか悪いとか議論するとかでもありません。ただ、夫婦別姓において自分の意志で選ぶ権利があることは、一人ひとりの決断が委ねられ、責任があり、法がそれを尊重しているとも感じるので、苗字をどうするか選べることはとてもありがたいことだと思った次第です。

また、事情によっては夫婦別姓が良いという話も耳にします。そうなった時、法や世間に縛られて、夫婦なのだから必ずどちらかが名前を変えなければならない、となると、そこにある根本は一体何だろう、と思うことがあります。

夫婦別姓で幸せになれる人がいるのなら、それもありなのでは、とふと思います。自分の名前なのに、他人や法でこうすべきだ、と言われるのも納得が行かないといえば行かない気もします。「夫婦なのだから」苗字が同じで当たり前、という概念をつっこんで考えると、「ほんと?本当にそうなの?」とか「夫婦はこうあるべきって誰が決めたの?」「では、なぜこうあるべきなの?」と言いたくなります。(笑)

それよりもまず、「こうあるべき」は置いておいて、それぞれが「幸せであるべき」では、と。

はっきり思えるのは、苗字が違ったからって(私の場合アメリカでは一緒なので、日本だけの話となるのですが)、夫への愛の大きさは変わりません。私が言うのもあれですが、夫から私へも然りです。そういうことは夫婦間で一切気にしたことはなかったです。ちなみに名前が一緒だから、夫の一部、という概念も全くありません。そもそも、夫の一部って何だろう・・・私は、夫とは別の、私という一個人なので、一部になりたいから結婚した訳ではないです。ただ夫という個人と私という個人が、お互いの個人という存在を好きなだけです。(アメーバーみたいに同化してどっちがどっちなのか分からない状態だったら困るよ、私ゃ)。

夫とどういう形であれ、苗字がどうのこうの関係なく、こうしていることが何より幸せです。因みに、苗字が違うか同じかで、愛とか幸せの大きさが変わってくる、とか言われたのなら、いくら私でもちょっとひっくり返りそうになるかもしれません。でも、きっと私も一応「あ、そう、苗字が一緒であなたは幸せなんだね」と、その人がそう思うならそう言っておくでしょう。本当にそれで心から幸せを感じているなら、それはそれで喜ばしく良いことですし。

ですが、もし、「夫婦なのに苗字が違って不幸だね」なんて逆に言われたりしたら、「うん、あなたの価値観ではそうだね。だからほっといてね」と付け足してそそくさと退散するしかないです。私もあとはほっとくからさ、と言ったところです。

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先日夫とドライブに行った時のロサンゼルスの夕日です。ちょっとオレンジ色が綺麗でした。

最後にこれだけ記しておきたいこと

今回は結構真面目なトピックにはなってしまったものの、今まで私自身が心のどこかでずっと考えていたことなので、ブログの記事として書けて良かったな、と思います。大事なテーマだし、書く内容としても難しいところもありました。ブログの中盤は、ほとんど結婚直後のアメリカでの経験上での話でしたので、海外在住で国際結婚をされている方の参考になれば、と思っています。ホント、あくまで私の経験だけで構成された内容ですので、そこのところ、よろしくおねがいします。くれぐれもご自身でのリサーチをお忘れなく。

あと、外部の人は日本法律のことに口出しをしないで、と言われるかもしれません。でも、私もまだれっきとした日本人です。外国に住んではいますが、日本の歴史や文化の教養や経験は、日本にお住まいの他の一般の皆さんと同じです。また、日本の外側にいるからこそ、見えてくる現状もあります。夫婦が同じ姓であることには、伝統というものがあるかもしれません。それはそれで美しいと思える側面もあると思います。でも、遠い昔に決められたことが、現代を生きる私達に適応しているかどうかを考える必要もあると思います。もしその「美しい」伝統が今を生きる私達にとって、「負担」となる場合があるのなら、そこはもう少し現代の事情に沿って、柔軟にできるところは柔軟で良いのでは、とどうしても思ってしまいます。美しい伝統が、美しい負担になったら、泣き寝入りするしかない、というのは、今を生きる私達にとって、ちょっとお門違いなのではないでしょうか、と。

最後に、何かのきっかけで今回の記事を読んでいただいた方々が、どうか日々幸せにと、夫婦でも恋人同士でもシングルでも、どうか幸せでありますように、と願っております。